整形外科 おすすめ教科書紹介⑤
膝の専門家でなくとも、外来で遭遇する確率が比較的高い前十字靱帯断裂。
そのACL断裂・損傷の診療で重要なポイントを集中的に記載した本。
著者は、世界的な前十字靭帯再建術の権威でもある史野根生先生。
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内容は解剖~診断~手術まで一通りの流れが記載されていて、手術に関する記事も詳細で役に立つことは間違いない。
でも、最も秀逸なのは、MRI診断における画像所見。
完全断裂でわかりやすい画像はもちろんのこと、部分断裂の微妙な所見や副次所見まで十分に解説されている。加えて、MRI画像上、ACLの緊張が十分に保たれていて、著者本人が診断に苦慮した症例までも載っている。
正直微妙な画像が載っている本は意外と少ないけど、実臨床ではこっちのほうが多いくらい。
膝の専門家を目指す医師だけでなく、外来でACLについて悩んだことのある整形外科医には読んでほしい1冊。
価格もそれほど高くなく、読みやすいボリュームなので、ぜひ手にとって見てください。