整形外科で走り出せ!

若手むけの知識やおすすめの教科書・本を紹介していきます。 薄っぺらい文章での紹介は書きません。自分で買って、読んで、調べたことをブログに記載しています。

整形外科 おすすめ教科書紹介⑧

整形外科 おすすめ教科書紹介⑧

 

若手向けのおすすめ教科書紹介の第8弾です!

 
 この本は、有名な整形外科雑誌の一つ「Monthly Book Orthopedics」創刊30周年を記念して刊行された書籍です。実臨床において、参考書として如何に即戦力となり得るかという点を重視し、編集されています。
 ターゲットとなる読者層は、骨折治療の主軸として活躍する研修医~10年目程度の整形外科医となっています。
 
 テーマを絞り、自由投稿を受け付けないジャーナルとしての先駆者であった「Monthly Book Orthopedics」の記念刊行であることに矛盾せず、コンセプトが明確で良いと思います。
 
 本の特徴としては、題名に「アトラス」とある通り、画像がふんだんに使用されており、瞬時にコツが理解できるように工夫されています。
 
 骨折治療の各論として、上肢から下肢の骨折まで網羅されています。体位取りやセッティングまで記載されている点にも好感が持てます。整形外科医になり立てのころは、手術前のセッティングでさえ戸惑うものです。
 
 また、この本には骨折テーマ毎の最後に「手術記録」が載っています。まさに、我々整形外科医がカルテに記載する通りのものです。これは、他の書籍では見たことがありません。
 
 予習の時間がないときにはこの「手術記録」さえよめば、その手術の大枠はつかめるようになっています。これも、この本のコンセプト「若手整形外科医が瞬時にコツを理解できる」のとおりだとおもいます。
 
 さらにもう一点追記するならば、骨折治療で使われる複雑な機材も写真付きで載っています。機材の説明だけで、20ページ以上割かれています。骨把持器、整復鉗子、テンションデバイス、クランプ等、、、
 10年目の整形外科医であっても、こんな便利な機材があったのかと思い知らされることもあるかと思います。さらにワンステップ上のスムーズな手術を目指すために、一読しても良いかと思います。