腱板断裂
腱板断裂についての診断・治療のまとめ
まずはわかりやすくフローチャートから
関節外科VOL.37 No.7(2018)より引用改変
一つ一つ解説していきます。
外傷機転があって、肩関節痛+挙上困難なことが明らかであれば、外傷性の腱板断裂を疑い、早期にMRIで画像診断を行うべきです。
また、外傷機転がなく変性断裂をみとめ、疼痛コントロール不良であったり、機能障害がある場合はやはり手術適応になってしまいます。
加えて、疼痛コントロールが十分にできて初めて、機能障害が明確になるので、しっかりと行うべきです。
問題なのは、中断裂以下で機能障害も疼痛コントロールも良好な場合です。
患者さん本人にとっては、痛みも機能障害もなければ、受診するモチベーションは低くなりがちであり、なかなかフォローが難しいため、腱板断裂が放置され手術を検討するタイミングを逸することも多いと考えられています。
それなのに、無症候性であろうとも多くの症例で有症状化したり、断裂部が拡大したりするという報告が多いです。
高齢者は別として、若年者・活動性の高い患者さんには、今後手術が必要となる可能性があることを十分に説明して、定期的に受診してもらうことが大切です。
※上記に付け加えて、肩関節の徒手検査を十分に練習することは迅速な診断につながります。
腱板損傷・断裂をチェックするテストとして、empty can test、Drop arm sign、Lift off test等は必須です。(ただし、感度特異度もさほど高くはありません、、、)