整形外科で走り出せ!

若手むけの知識やおすすめの教科書・本を紹介していきます。 薄っぺらい文章での紹介は書きません。自分で買って、読んで、調べたことをブログに記載しています。

橈骨遠位端骨折 

疫学

上肢の骨折で最も頻度が高い。

受傷機転としては、転倒で手をついたタイミング。

 

分類

AO分類が使われることが多いが、実臨床では以下のように呼ばれることが多い。

これらで分類できないようなときは、まとめて粉砕骨折とかにされることも。

 

Colles骨折

 遠位骨片が背側転移するもの。いわゆるフォーク状変形。

Smith骨折

 Collesの逆。遠位骨片は掌側転移をきたす。

Die punch骨折

 月状骨窩の背側の骨片だけのとき。

Barton骨折

 関節面からすりおろされたかのように割れた骨折。背側か掌側かで、名前の最初につけられることも多い。

 

治療

 

可能であればまずは整復。

保存療法か手術かの見極めは正直施設ごとの判断が多きいが、粉砕してたり転位が大きかったりしたら、手術になることが多い。

 

手術

 

粉砕が強くなければ、まずは掌側ロッキングプレートが選択される。

アプローチはFCR(橈側手根屈筋)と橈骨動脈がメルクマールとなる。

FCRの直上でいくならtrans-FCR approach、FCRの橈側かつ頭骨動脈の尺側から入っていくなら modified Henry approachが多い。

さらに、展開を続けFPL(長母指屈筋)を橈側によけるとPQ(方形回内筋)が露出する。これを、橈側で骨膜ごと切開すると橈骨が露出する。

 

血種とかを除去して、観血的に整復。プレート設置。

プレート固定で大切なのは、スクリューが関節面に到達しないこと。

 

閉創ではPQを可能な限り縫合して、プレートを覆う。水平マットレス縫合などを駆使しても、実際はなかなか被覆しきれないことも多い。

 

術後

単純な骨折でしっかりと固定できた症例であれば、外固定をしない施設も多い。

高齢者でなければ、伸筋腱損傷の可能性があるから抜釘を計画するほうがいい。

 

以下、おすすめ書籍