大腿骨近位部骨折① 転子部骨折
疫学
国内発生数は約20万ほど。
大きくは転子部骨折と頚部骨折に分類されるが、転子部骨折のほうが多い。
寝たきりになる可能性も高い。
受傷から手術までの時間が予後を左右することは広く知られるようになり、令和4年度の診療報酬改定では、75歳以上に対する48時間以内の手術は4000点加算されるようである。
転子部骨折
分類は非常に多いため、特に有名なものを記載する。
AO分類
生田分類
中野の3D-CT分類↓
整形外科 65 巻 8 号:842〜850,2014より引用改変
分類が多く存在するが、いわゆる「不安定型」と呼ばれるものにはある一定の共通概念がある。4part骨折、逆斜骨折、外側壁骨折などである。
治療
多くの症例では髄内釘が選択される。
整復は牽引やKワイヤー挿入、小切開などを組み合わせる。
大転子にむけて、側方から大腿筋膜を切開、中殿筋を分けていきアプローチする。
大転子頂部が触れたら、そこから骨孔をあけるため作業。ガイドピンは方向を適宜、正面側面から確認しておく。
選択した髄内釘の手技書通り、スクリューを入れていく。
最近は骨折の複雑さに応じて、近位スクリュー・ピンがたくさん打てる機種も多くのメーカーで存在する。
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