整形外科で走り出せ!

若手むけの知識やおすすめの教科書・本を紹介していきます。 薄っぺらい文章での紹介は書きません。自分で買って、読んで、調べたことをブログに記載しています。

整形外科 おすすめ教科書②

おすすめ書籍です。

 

骨折プレート治療マイスター

 

整形外科でのプレート固定の基本がすべて記載されてます。まさにバイブル。

どんなときにどのプレートを使用するのか、髄内釘とどっちを選択するのかまで詳細に記載されてます。

 

また、他の書籍ではあまり触れられることが少ないのですが、各メーカー毎のプレートの特徴などまで記載されているので、インプラントとは???みたいな若手にも使いやすい書籍です。

 

整形外科 おすすめ教科書紹介①

若手整形外科医に向けておすすめの教科書を紹介していきます。

 

 

 

圧倒的名著。

 

通常の解剖学の本とは異なり、展開操作の段階に応じて解剖図が記載されているため、手術時の予習が非常に行いやすい。
また、多くの解剖学の教科書は血管や神経が別立て図になっていたりするが、これは一枚の図に重要な筋肉・血管・神経がすべて記載されている。
そして、様々な方向からの展開が記載されているため、基本的なアプローチはすべて網羅できるはず。


まさに整形外科医のために作られた解剖学書。


価格もそれなりに高いが、それが気にならないくらい自分の知識を拡大させてくれる。

大腿骨近位部骨折① 転子部骨折

疫学

国内発生数は約20万ほど。

大きくは転子部骨折と頚部骨折に分類されるが、転子部骨折のほうが多い。

寝たきりになる可能性も高い。

受傷から手術までの時間が予後を左右することは広く知られるようになり、令和4年度の診療報酬改定では、75歳以上に対する48時間以内の手術は4000点加算されるようである。

 

 

転子部骨折

分類は非常に多いため、特に有名なものを記載する。

 AO分類

 生田分類

 中野の3D-CT分類↓

 

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整形外科 65 巻 8 号:842〜850,2014より引用改変

分類が多く存在するが、いわゆる「不安定型」と呼ばれるものにはある一定の共通概念がある。4part骨折、逆斜骨折、外側壁骨折などである。

 

治療

多くの症例では髄内釘が選択される。

整復は牽引やKワイヤー挿入、小切開などを組み合わせる。

大転子にむけて、側方から大腿筋膜を切開、中殿筋を分けていきアプローチする。

大転子頂部が触れたら、そこから骨孔をあけるため作業。ガイドピンは方向を適宜、正面側面から確認しておく。

選択した髄内釘の手技書通り、スクリューを入れていく。

最近は骨折の複雑さに応じて、近位スクリュー・ピンがたくさん打てる機種も多くのメーカーで存在する。

 

 

以下、おすすめ書籍

 

橈骨遠位端骨折 

疫学

上肢の骨折で最も頻度が高い。

受傷機転としては、転倒で手をついたタイミング。

 

分類

AO分類が使われることが多いが、実臨床では以下のように呼ばれることが多い。

これらで分類できないようなときは、まとめて粉砕骨折とかにされることも。

 

Colles骨折

 遠位骨片が背側転移するもの。いわゆるフォーク状変形。

Smith骨折

 Collesの逆。遠位骨片は掌側転移をきたす。

Die punch骨折

 月状骨窩の背側の骨片だけのとき。

Barton骨折

 関節面からすりおろされたかのように割れた骨折。背側か掌側かで、名前の最初につけられることも多い。

 

治療

 

可能であればまずは整復。

保存療法か手術かの見極めは正直施設ごとの判断が多きいが、粉砕してたり転位が大きかったりしたら、手術になることが多い。

 

手術

 

粉砕が強くなければ、まずは掌側ロッキングプレートが選択される。

アプローチはFCR(橈側手根屈筋)と橈骨動脈がメルクマールとなる。

FCRの直上でいくならtrans-FCR approach、FCRの橈側かつ頭骨動脈の尺側から入っていくなら modified Henry approachが多い。

さらに、展開を続けFPL(長母指屈筋)を橈側によけるとPQ(方形回内筋)が露出する。これを、橈側で骨膜ごと切開すると橈骨が露出する。

 

血種とかを除去して、観血的に整復。プレート設置。

プレート固定で大切なのは、スクリューが関節面に到達しないこと。

 

閉創ではPQを可能な限り縫合して、プレートを覆う。水平マットレス縫合などを駆使しても、実際はなかなか被覆しきれないことも多い。

 

術後

単純な骨折でしっかりと固定できた症例であれば、外固定をしない施設も多い。

高齢者でなければ、伸筋腱損傷の可能性があるから抜釘を計画するほうがいい。

 

以下、おすすめ書籍

筋肉 英語 略語

メモ程度によく使うやつをまとめ。

間違い等あったらご指摘ください。

 

僧帽筋 Trapezius

三角筋 Deltoid

棘上筋  Supraspinatus

棘下筋 Infraspinatus

上腕二頭筋 Biceps brachii

上腕三頭筋 Triceps brachii

腕撓骨筋 Brachioradialis

手関節屈曲 wrist flexor

手関節進展 wrist extensor

 

腸腰筋 Iliopsoas

大腿四頭筋 Quadriceps femoris

ハムストリングス Hamstrings

前脛骨筋 Tibialis anterior

腓腹筋 Gastrocnemius

長母趾屈筋 Flexor hallucis longus

長母趾伸筋 Extensor hallucis longus